羽ばたけなくて

しばしの沈黙。

校長室に広がる重苦しい空気を和ませるように、

ヨウはお母さんに向かって

たえず「大丈夫」と声をかけ続けた。

そんなヨウの姿に私は思わず

校長室のドアを開けてしまいそうになる。

「……ヨウ……」

私は小さく名前を呼んだ。

ヨウが振り向くわけがないのに、

なんとか助けてあげたくて。

しばらくして、校長先生は

無表情のまま座りなおしてから口を開いた。