羽ばたけなくて

その声の方へと私は恐る恐る足をすすめる。

どうやらヨウとお母さんは

職員室の隣にある校長室にいるようだ。

少しだけ空いたドアの隙間からそっと覗いてみる。

校長室のほぼ真ん中にある

向かい合わせに置かれたソファに、

ヨウとお母さん、

そして校長先生ともう1人の先生が座っていた。

「ヨウは確かに障がい者です。

 でも、ちゃんと人とコミュニケーションは取れますし、

 とても優しい子です。

 なのに、

 なんで入学を拒否されなくてはいけないんですか?」

そう言うお母さんの声が震えていた。

ヨウは「お母さん、大丈夫?」と優しく声をかける。

そんな親子の姿を見て校長先生と

もう1人の先生が深い溜め息をつく。