羽ばたけなくて

2,3度深呼吸をしてから、

今度は静かにお父さんが口を開く。

「ヨウは……。

 耀紀は、羽衣と同じ学校には行けないのか?」

お母さんは悔しい表情を見せながら小さく頷いた。

「でも、私は納得できない。

 なんで、……ヨウは羽衣と同じ学校に通えないの?」

そう言うお母さんの頬に涙が伝う。

その涙を隠すようにゆっくりとテーブルに伏した。

お父さんはおもむろに立ち上がると、

肩を震わせ泣くお母さんをそっと後ろから抱きしめた。

「俺だって、お前と同じ気持ちだよ。

 なんで、ヨウが拒絶されなきゃいけないんだ。

 ……直接、小学校に掛け合ってみよう。

 ヨウの素晴らしいところを見せて、

 先生方を説得してみないか?」