羽ばたけなくて

でも、お母さんがその手紙の封を開けた瞬間、

顔色が一瞬のうちに曇ったのを

私は今でもはっきりと覚えている。

そこに書かれていたこと―――

それは、

『大塚耀紀くんの本校への入学を

 受け入れることが困難である』

というものだった。

そう。

ヨウの“個性”を学校側が拒絶したのだ。

手紙を持つ手が震え、

お母さんの目から涙がとめどなく流れた。

「ど、どうして……」

消え入りそうな声でそう呟くお母さんの姿に、

幼かった私の心にも消えない深い傷ができた。

その日の夜、

私とヨウが寝たのを確認してから、

両親はリビングでその手紙について話し始めた。

私はそうっと起き、

両親に気付かれないように

ドキドキしながらこっそりと覗いた。