羽ばたけなくて

お母さんもまたにっこりと微笑んでヨウに話しかける。

「良かったわ、ヨウ。学校楽しんでるのね。

 今日はお友だちと何して遊んだの?」

「卓球! 僕が一番強かったんだよ。」

へへんと鼻を鳴らしながらヨウが言う。

よかった、私がいなくても

ちゃんとヨウが学校生活を送れているんだ。

友だちと一緒に支えあいながら、楽しい時間を。

なんだか私は嬉しくなって、ヨウの話に乗っかってみる。

「じゃあ、ヨウ。今度、お姉ちゃんと卓球してみる?」

私の少し挑戦的な言葉にヨウは闘志をあらわにしながら、

「うん! 僕、お姉ちゃんには負けないからね。」

と力強くこたえた。

私はヨウの言葉に2,3度深く頷き、にやりと笑った。

そんな私たちのやり取りを静かに見ていたお父さんが、

ふと小さな声でぽつりと言った。

「……ヨウを普通の学校に入れて、良かったな。」