私は雅也のことを密かに想っている。

入学式にあったその時から。

いわゆる、一目ぼれってやつ。

でも、自分の淡い気持ちをそっと心の中にしまいこみ、

こうして仲のいい友だちとして毎日を送っている。

それでいいんだ、そうこれで。

私みたいな子が、雅也に想いを伝えちゃいけないんだ。

これからも今まで通り、

気楽な仲間として付き合っていければそれでいい。

「それで、何の話だったっけ?」

私が今度はみんなの顔をちゃんと見ながら訊いた。

美園はふんわりと優しい微笑みを返してくれた。

「今日の放課後、

 ヒマだったらみんなでどっか遊びに行かない?

 って話。」

美園の言葉に大志はうんと深く頷き口を開く。

「せっかく天気いいんだしさ。

 こう、パーっとどっか行こうぜ。」

「お前は天気なんか別に気にしてないだろ。」

表情ひとつ変えずに突っ込む雅也の肩を、

 大志は思い切りはたく。

「いいじゃねーかよ。で、どうだ、羽衣の都合は。」

大志に訊かれ、私は少し視線を上に向ける。

確か、今日の放課後は……