羽ばたけなくて

「ところで、美園の方はもう大丈夫なのかよ。」

料理を少しつまみながら雅也が訊ねる。

そういえばあれ以来、

美園たちのことを詳しく訊いていなかった。

美園のお父さんに

お付き合いの許可をもらったのは知っているけれど、

許婚の人はどうなったのか、

そして美園のお父さんの会社は大丈夫なのか、

気になることがいくつかある。

「美園、どうなの?」

私もまた恐る恐る訊ねると、

美園と大志は顔を見合わせてにっこり笑った。

「私たちの方はもう大丈夫だよ。

 小さい頃から言われてた許婚の方にも、

 実は気になる人がいたみたい。

 だから、私はその人に、

 好きな人と幸せになってって伝えたの。

 私と同じように

 本当の幸せをその人にも掴んで欲しいから……」