羽ばたけなくて

「『ヨウキくんのお陰』って、

 一体どういう意味だ?」

食べていた手をとめて首を少し傾げながら大志が訊ねる。

美園も興味津々に目を輝かせている。

私も雅也がこれにどうこたえるのか気になって

思わず身を乗り出す。

「そのまんまの意味だよ。

 ヨウキくんの心が、俺の気持ちを引き出してくれたんだ。」

雅也の言葉にいち早く反応したのは美園だった。

「へぇ。ヨウキくんの純粋な心でようやく分かったんだ。

 ……雅也自身、恋とは無縁だと思ってたろうにね。」

美園の最後の言葉が引っかかったのか、

冷静な雅也には珍しく美園の頭を軽くはたく。

思ったとおりの反応が返ってきたのか、

それとも雅也らしからぬ行動が面白かったのか、

美園は満足そうににっこりと笑う。