羽ばたけなくて

「あの……美園お嬢様。

 私も皆さんとご一緒して宜しかったのですか?」

美園の執事である新堂さんが、少し申し訳なさそうに呟く。

そんな新堂さんの肩を、

美園は思い切り叩きながら笑顔になる。

「もう、新堂さん。

 その『お嬢様』て言うの、今日はナシね。

 肩っ苦しいの嫌いだから、私。今日は美園って呼んで。

 てことで、“衛っち”も楽しんじゃって。」

「ま、衛っち……」

急に美園からそう呼ばれ、

新堂さんの顔がほのかに赤く染まる。

新堂さん、そんな表情するんだ。

今まで抱いていた怖いイメージが少しずつ和らいでいく。

目の前に並べられている料理は、

美園と大志の合作料理……ではなく、

赤羽根家御用達であるレストランのシェフのデリバリー。

ちょっとしたパーティーに来たみたいで、

なんだかくすぐったく感じる。

「それにしても、よかったねー。」