羽ばたけなくて

「うんうん。ヨウは凄いよ。」

本当に凄いよ、ヨウは。

だって、ヨウの純粋な心が私たちの気持ちを見抜いて、

そしてその気持ちをこうして

表に引き出してくれたんだもの。

ヨウは、本当に天使なのかもしれない。

「お兄ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします。」

握った手をぶんぶんと振りながらヨウがさらりと言う。

なんだか、ヨウが私のお父さんになっちゃったみたい。

「よし、頼まれた。

 ヨウキくんのお姉ちゃんは、俺が守るからな。」

そうこたえる雅也にヨウは笑顔のまま大きく頷いた。

「はい!」

そんな2人のやり取りが楽しくて、

私は小さく微笑んだ。

―――本当にありがとう、ヨウ。

ぼろぼろに折れてくすんでいた羽を外して、

新たな真っ白い羽をつけてくれたから、

私、ようやく羽ばたけるよ。