羽ばたけなくて

「私……。雅也のことが好き。

 出逢った時からずっと、雅也を見てきたの。

 ……大好き。」

身体中がドクンドクンと大きな音を立て

かぁっと熱を帯びる。

言えた。

自分自身にようやく素直になれた。

大好きな人に“好き”と言えることが出来た。

私の言葉をじっと訊いていた雅也の顔がふっと緩む。

「よく言えました。」

そう言う雅也の表情は

今まで見たことがないくらい穏やかで、

優しくて私の心がすっぽり包み込まれてしまうくらいだ。

見つめ合う視線が急に恥ずかしくなって、

私はふとそっぽを向いてしまった。

その瞬間、

私の目の前にひざまずいていた雅也がふっと立ち、

ベンチに座る私をふんわり優しく抱きしめた。