羽ばたけなくて

「電柱。もう少しで激突しそうだったぞ。」

雅也に言われて初めて

私のすぐ近くに電柱があるのに気付く。

私って……なんでいつもちゃんと周りを見てないんだろう。

「やっぱり羽衣は危なっかしい。」

そう言うと雅也はまたゆっくり歩き始めた。

それと同時に私の体も勝手に動き出す。

「……!」

しっかりと繋がれた私と雅也の手。

きっと電柱を避ける時に

雅也が咄嗟に私の手を握ったんだと思う。

でも、雅也がそれをはなそうとしないことに

私の鼓動が高鳴った。