羽ばたけなくて

「そんなに美味いか?」

不思議そうな顔をする雅也は、

相変わらず牛乳ソフトを食べている。

少しは冒険したらいいのに。

そんなことを考えながらも私は微笑みながらこくんと頷く。

「うん、美味しいよ。今まで食べた中で一番かも。」

私の言葉に美園と大志は「はいはい」と聞き流す。

どうせ2人のことだから、

私の「美味しい」発言が

いつものことだと思っているに違いない。

「本当だよ。すっごく美味しいんだから。」

私がみんなに向かってそう言うと、

雅也がふいに私へと近付いてきた。

突然のことで

やんわりと心地良く動いていた心臓が暴れ始める。

雅也はそのまま私が持つソフトクリームをぺろりと舐めた。