私から見ても、大志の姿はすごくカッコよかった。

1人の女性をこんなにも強く想えるその姿に、

私は大きな感動さえ覚えていた。

そうだよ。

今の大志なら、きっと大丈夫。

あの新堂さんをも心を動かしたくらいだ。

美園のお父さんだって、

きっと大志と美園の想いをわかってくれるはずだ。

しばらくの間の後、大志は大きく首を縦に動かした。

「そうだよな。雅也、ありがとう。俺、頑張るよ。」

その時、私たちの会話を訊いていたかのように、

校内に始業を伝えるチャイムが鳴り響いた。

「明日、雅也と羽衣にちゃんと報告するから。」

チャイムが鳴る中、大志が早口にそう言うと、

私たちはパタパタと屋上を後にした。