「はい、はい。」

私が呆れながら小さく呟くと、

カバンをリビングのソファに置き、

洗面台へと向かった。

料理を手伝うのだからきちんと手を洗っておかないと。

爪の中までしっかりと手を洗ってから、

私はキッチンにいるお母さんのもとへと行った。

「お待たせ、お母さん。で、何すればいいの?」

フリルのたくさんついた

淡いピンクのエプロンに身をつつんだ、

いわゆるぶりっ子なお母さんに笑顔で尋ねる。

「じゃあ、

 お皿のハンバーグにこのソースかけてくれる?」

そう言ってお母さんは私に、

今作ったばかりであろう湯気の上るソースを手渡した。

「了解。」

軽くこたえると、

私はハンバーグに一つ一つ丁寧にソースをかけ始めた。