「羽衣のことになると、

 どうしても感情的になっちまう。

 本当、俺はまだまだガキみたいだ。」

雅也の言葉の意味がよく理解できない。

私のことで感情的になるって、どういうこと?

私の知る雅也はいつも冷静で的確に物事を判断する、

子どもっぽい面なんてこれっぽっちもないのに。

「雅也は子どもっぽくなんか……」

私がそう言うと雅也はもう一度首を横に振り、

それまで涙を拭ってくれていた手を

上へと持っていき優しく頭を撫で始めた。

「自分の気持ちを羽衣に押し付けようとしてた。」