羽ばたけなくて

雅也からの思わぬ質問に、

私の鼓動がどんどん早まる。

よりによって好きな人から、

こんなことを訊かれるなんて。

「べ、別にどうだっていいじゃない。」

ついムキになってしまい素直にこたえることができない。

今はどうであれ、

中学時代、私が安陪君のことを好きだった事実は

どうやっても隠し切れない。

それに、本当のことを言ってしまったら

雅也は私のことをどう思うのだろう。

私の反応に対し、雅也が言葉を続ける。

「どうでもいいワケない。

 安陪ってヤツのこと、今も好きなのか?」

声を荒げることなくむしろすごく静かだったのだけれど、

その言葉には内側から物凄く熱い感情が

入り混じっているように感じた。