羽ばたけなくて

つい、何なのだろう。

淡い期待が私の胸の中で膨らみ始める。

その期待が伝わったのか、

それとも私の視線を感じたのか、

雅也は顔を赤らめながらそっぽを向いてしまった。

私は視線に内に秘めていた想いを込める。

『私は、雅也のことが好きなんだよ。』

口にする勇気がない、私の想い。

ただ見つめるだけでは

雅也に伝わらないことを分かっているのに、

ほんの少しでもいいから、

と視線に願いをかけずにはいられなかった。

頬の赤みがおさまってきた雅也と視線がふと私と交わる。

心臓がドクンと波打つのを感じながらも、

私はそのまま視線を交わし続ける。

「さっきのアイツさ。」

雅也が口にしたアイツとは、安陪君のことだ。

突然、安陪君のことを口にするとは思わず、

私は思わず息をのんだ。

私の硬い表情を目にしながらも、

雅也はそのまま言葉を続けた。

「羽衣、アイツのこと、好きだったのか?」