羽ばたけなくて

「美園から、メールあったか?」

雅也の目をしっかり見ながら、

私は静かに首を横に振った。

あの日以来、私は誰とも連絡が取れていない。

正確に言えば、連絡する勇気がなかった。

美園や大志それぞれの想いを考えると、

普通に連絡するのが

軽々しい行動だと感じてしまったから。

私の返事をみて雅也は小さく頷くと、

さらに言葉を続ける。

「昨日、大志からメールが来たんだ。」

店員さんがテーブルの横に立つと、

私たちが頼んでいた飲み物を

目の前にトントンと置いていく。

そして、

アイスレモンティーを一口飲んでから雅也が言う。