羽ばたけなくて

「俺、ずっと美園のこと、好きだったんだよ。

 ずっと、ずっと……。

 でも、友だちとして過ごすうちに

 居心地が良くなっちまって、

 このままの関係がいいんじゃないかって

 思うようになってた。

 そんな時に『婚約者がいる』って聞かされて……。

 俺、もう美園への想いを

 とめておくことが出来なくなった。

 美園を俺の側に置いておきたいんだよ。」

いつも見せるやんちゃな姿は一切なく、

一人の女性を想い続ける男性としてそこにいる。

その想いは強く、

見届けている私の胸をも熱くしていた。

心の奥底にしまい込んでいたものを受け止めた

美園の目から、

大粒の涙が一粒流れ、頬を伝う。