羽ばたけなくて

雅也の言ってた通りだった。

私自身に変な“壁”がこびりついていたせいで、

今までどれだけ損していたのだろう。

こんなに脆い“壁”に拘り続けていた私が、

今は本当に惨めに思う。

もうこれからは例えどんなことがあっても

堂々としていよう。

ヨウは、―――耀紀は、私の大切な弟なのだから。

「本当にごめんね。

 でも、これからはいっぱいヨウに会いに来てよ。」

私はみんなへと視線を向けながら声を弾ませ笑顔で言う。

すると、美園の表情が一瞬の内に曇ったのが見えた。

「み、美園……? どうかしたの。」

私がそうっと声をかけると、

美園は下を向いて静かに息を吐いた。

今までにないほど、重く濁った息のように私は感じた。

「これからじゃんじゃんヨウくんと遊ぶよ、

 ……て言いたいんだけどさ。

 それも、もう出来なくなっちゃうんだよね。

 ヨウくんに限らず、……羽衣たちとも、ね。」

言葉の最後の方に見せた美園の笑顔は、

とても儚く脆いものだった。