羽ばたけなくて

「そういえばさ。羽衣の部屋ってどこなの?」

美園がお茶を一口含んでから上目遣いに訊ねる。

「2階だよ。

 でも、そんなたいした部屋じゃないし……」

自分の部屋を思い出しながら私がぼそぼそと呟いていると、

「俺、見てぇ! 羽衣の部屋。」

と、少々かぶりつくように大志が大声で叫んだ。

そして同意を求めるようにみんなへと視線を向ける。

「私も見たい!

 羽衣の部屋ってなんか想像出来ないんだよねー。」

美園の言葉に大志がそうこなくっちゃとばかりに、

ハイタッチを求めるように手をあげた。

差し出されたその手に美園がパチンと手を合わせる。

「雅也は?」

大志の問いかけに雅也は「あぁ」と小さくこたえる。

「じゃ早速、羽衣の部屋に行こう。」

私の許可なんてもうどうでもいいのか、

大志のその声に合わせて

私たちはヨウと別れ2階へと向かい始めた。