羽ばたけなくて

「みんな。ここにお茶とお菓子、

 用意してあるからね。」

柔らかい表情のお母さんが全員分のお茶と、

可愛いいかご型バスケットに入れられた

お菓子の詰め合わせをテーブルに置く。

万が一こぼさない様にテーブルの中心に固めて置くと、

お母さんは私たちを見て、もう一度微笑んだ。

「お母さん。僕、お姉ちゃんのお友だち大好き!」

叫ぶように言うヨウの姿に、

私をはじめ、このリビングにいる全員の表情が

ふんわりと穏やかになる。

ヨウってやっぱり不思議な力があるような気がする。

周りにいる人を

一瞬のうちに幸せにさせてしまうんだから。

お母さんはヨウに向かって大きく頷くと、

今度は私や美園たちへと視線を向けて口を開いた。