羽ばたけなくて

美園も大志も、

私と一緒にいる時と全然変わらずに接してくれている。

むしろ、仲間がもう1人増えたかのような

そんな感覚なのかもしれない。

みんな、心から笑い合っている。

ただ、雅也が

まだヨウと一言も会話していないことが引っかかった。

私に対してあんなに親身になって

説得してくれたはずなのに、

雅也の心の中にはヨウに対する

“壁”が存在するのだろうか。

しかし私のその考えは一瞬のうちに崩れる結果となった。

雅也がぽんとヨウの肩を2,3度叩くと、

「ヨウキ、俺、雅也。よろしくな。」

と、まるで耳打ちするように

ヨウに近付きながらそう告げた。