羽ばたけなくて

「お姉ちゃん! どうしたの。」

天使のようなキラキラとした笑顔で私に問いかける。

その笑顔につられるように

私も微笑みながらこう誘った。

「今ね、下にお姉ちゃんの友だちが来てるんだ。

 みんな、ヨウに会いたいって言ってるんだけど、

 いいかな?」

私の言葉にヨウは心の底から嬉しそうに、

「うん! 行く、行く!」

と返事をすると、ヨウは素早く私の右手を取った。

「ほら、早く行こ。」

そう言うと

ヨウは私を引っ張るかのようにパタパタと走り始めた。

その勢いにのまれるままに私もまたパタパタと走る。

ヨウのペースについていけず、

その上まだ心の準備も出来ていない状態のまま

階段を駆け下りる。

あっという間に1階へ着くとその勢いのままに、

ヨウがみんなの待っている

リビングのドアを豪快に開けた。

「こんにちはー!」

挨拶をするヨウの笑顔はとても柔らかく

心を和ませるものだった。