羽ばたけなくて

「みんなどこでもいいから、適当に座って。」

私が3人の顔を見渡しながら

右手をひらりと部屋へと向ける。

その言葉を合図として、

3人が思い思いにリビングへと散らばった。

「ここは、俺様専用席な。」

そう言った大志は、

一目散にテレビと向かい合わせにある

ソファへとダイブした。

「まったくもう。そういうトコ大志らしいけど、

 少しは人の家なんだから気を遣いなさいよ。」

呆れた口調でそう言う美園は、

大志が寝転ぶソファの前に置かれている

テーブルに向かって

カーペットの上にちょこんと座った。

そんな2人の様子を気に留めることもなく、

雅也はそのテーブルから少し離れた空間に

どっかりと腰を下ろした。