羽ばたけなくて

ドアノブを握り締めたまま小さく息を吐くと、

私はいつも学校で見せる笑顔を作りながら

思い切り玄関のドアを開けた。

「やっほー、羽衣!」

「俺様のご登場だぜ!」

「おう。」

美園たちは3人揃って笑顔で玄関の前に立っていた。

「いらっしゃい。どうぞ、上がって。」

私が微笑みながら左手を廊下に向かって差し出すと、

「おじゃましまーす!」

と元気のいい声と共に、

3人がぞろぞろと家の中へと入った。

私がリビングへと3人を通すと、

キッチンにいるお母さんがいつもの柔らかい笑顔で、

「こんにちは。ゆっくりしていってね。」

と私の親友にふんわり声をかけた。