「次、お風呂どうぞー。」

頭からタオルをかけた状態のまま、

私はリビングのドアを開けてみんなに声をかける。

わしゃわしゃと濡れた髪をタオルで拭き、

誰もいないソファへと腰を下ろした。

「じゃ、僕入ってくるね。」

ヨウが元気いっぱいにそう言うと、

足早にリビングを後にした。

「ごゆっくり。」

私は見えなくなったヨウの背中に向かって声をかけた。

そして、

ヨウが観ていたのだろう

つけっぱなしのテレビをぼうっと眺めながら、

今度は優しく丁寧に髪を拭く。