「ちょっと羽衣。訊いてんの?」

今度は少し食いつき気味に身を乗り出す。

「あぁ、ごめん。

 美園の都合に合わせようかと思って。」

私が同意を求めるように

大志と雅也へと視線を向ける。

美園が楽しみにしているとはいえ、

やはり新堂さんの許可を得てからのほうがいいと

私は思っていた。

今度また美園の独断で行動したら、

もう4人で会うことすら出来なくなってしまう気がしたから。

私の考えはどうやら2人とも同じようだった。

大志も雅也も大きく頷く。

「美園はそこまで気にしないかもしれねーけど、

 あの執事、名前は……、

 そいつには話しといた方が良さそうじゃねぇか。」

「そいつ、じゃなくて新堂さん、ね。

 別に新堂さんに話さなくたって……」

美園が右手を軽く振りながらこたえていると、

雅也がその言葉を遮るように、

「ちゃんと話せ。」

とたった一言だけ、強く言った。