羽ばたけなくて

その声に促されるように

今度は大志が大声で注文する。

「俺、チョコソフトで。」

大志の後を追うようにして雅也がぽつりと呟く。

「牛乳ソフト。」

お店の人が笑顔を見せながら

2人のソフトクリームを用意する。

私も早くなにか決めなくては、

みんな待たせるわけにはいかない。

「じ、じゃ……。黒胡麻ソフト1つ。」

大志と雅也にそれぞれソフトを渡し終えた店員さんは、

今度は私に笑顔を向けて

手早く黒胡麻ソフトを用意してくれた。

みんながそれぞれソフトクリームを手にすると、

お店の中にあるちょっとした喫茶スペースへと移動した。

小さくて少し高いカウンターテーブルを囲うように、

4人が席に座る。