ダイニングテーブルの

いつもの場所に座ると同時に、

すっとアイスミルクが出された。

「羽衣、このところ様子がおかしいけれど

 何かあったの?」

キッチンへと戻りながらお母さんが訊く。

目の前に広がる新聞紙もまた、微かに動く。

やっぱり親は子どものことをちゃんと見ているんだ。

この数日間の心の葛藤を見せまいとしていたのに、

親の前ではいとも簡単に見破られてしまう。

それでも親には心配させまいと、

私はキッチンへと向くと、

「ううん、何にもないよ。

 お母さん、考えすぎだって。」

と笑顔でこたえた。