ヨウは私の大切な弟。

純粋で思いやりがある、素敵な弟。

かけがえのないヨウを隠していたなんて、

私は本当にどうかしていたのだろう。

“壁”、ぶち壊せよ―――

雅也からのエールを思い出し私は大きく頷く。

今日、美園と大志にちゃんと話そう。

弟がいること、そして障がい者であるということ全て。

きっと美園と大志は受け止めてくれるに違いない。

私から離れていくなんて、そんな事あるはずがない。

「よし。」

鏡の中の自分に向かって声を掛けると、

頬を2,3度軽く叩いてから部屋を後にした。