羽ばたけなくて

はぁはぁと息が乱れる私を横目で見ながら、

雅也は大きな溜め息をつく。

その視線が、痛い。

「お前……。まだわかってないのかよ!」

雅也は私の肩を鷲づかみにしながら、

珍しく声を荒げる。

こんな雅也の姿、初めて見た。

雅也の鋭すぎる視線に、

直視することができず私は目を伏せた。

「な、なにがよ。

 雅也だって、私がバカな子だと思ったから

 私と口利いてくれなかったんでしょ。」

「だから……。それが、わかってねーんだよ!」