羽ばたけなくて

その声は意外にも、普段無口な雅也からだった。

本当に

私の心の声が聴こえてしまったのかと思ってしまうほど、

雅也の声は絶妙なタイミングだった。

その言葉に美園は勢いよく体を起こしたかと思うと、

目をキラキラと輝かせながら大声で叫んだ。

「賛成! みんなでソフト買いに行こう。

 たまには雅也もいいこというじゃーん。」

大志もまた満面の笑みを浮かべながら

美園に向かってグーサインを送る。

思わぬ雅也の一言で、

私たちはいつもの川原を後にした。