羽ばたけなくて

「こんだけ暑いと私、

 毎日CANDY(ここ)に通っちゃいそう。」

「だね。でも私、

 毎日通ったらお小遣い足りなくなっちゃうよ。」

私は少しはにかみながら思ってもないことを言う。

別にお小遣いとか、今はそんなことどうでもいいのに。

ゆっくり食べる私と美園をよそに、

すでに食べ終わった大志と雅也。

大志は物足りなそうにショーケースを眺めているのに対し、

雅也はその体勢から一切崩そうとはしない。

ふと美園と目が合う。

私は普段通りに首を少し傾げながら微笑むと、

美園は雅也と私を交互に見ながらそっと口を開いた。

「なんで今日さ、羽衣と雅也一言も話さないの?」