羽ばたけなくて

その日の放課後。

美園の誘いで私たちは

行きつけのソフトクリーム屋さん、

『soft ice CANDY』に来ていた。

結局、あれから雅也とは1回も目を合わせていない。

休み時間、

いつもと同じメンバーで集まっていたのにも関わらず、

雅也は必ず私に背を向けるような体勢で座っていた。

普段優しいはずのその背中が、

今日は大きくて冷たい壁のように感じる。

雅也は、私を避けている。

美園と大志はそのことに気付いているのだろうか。

私の中にある不安をどうにか悟られないように、

私は努めて明るく美園たちと話していた。