家に入るなり、私は2階へと駆け上がる。

「お姉ちゃん! 一緒にレインジャー観ようよ!」

今さっき借りてきたばかりのDVDを振りながら、

ヨウが元気いっぱいに呼びかける。

でも、私はそれにこたえることなく

自分の部屋のドアを思い切り閉めた。

ごめんね、ヨウ。

こんなお姉ちゃん、ヨウは嫌いだよね。

自分を見失ってるお姉ちゃんなんて、

好きになれないよね。

目から止めどなく涙が溢れ出る。

ドアにもたれかかりながら私はただただ泣き続けた。

「お姉ちゃん、僕、先に観てるからねー!」

下からヨウの明るい声が響く。

その純粋で綺麗な声に私の心は重く沈んだ。