羽ばたけなくて

「ごめん……。私には、弟が……。

 ヨウが……、耀紀がいるの。」

私の隣にぴったりとつっくいているヨウが、

天使のような優しい笑顔を雅也に向けた。

「はじめまして!

 僕、大塚耀紀です。中学2年生です。」

雅也からはなにも言葉は聞こえない。

ヨウに自己紹介されて

どんな表情を見せたかなんて怖くて見れない。

「……なんでなんだよ。」

ぽつりと小さく雅也が呟いた。

その怒りにも似た響きに私の心が震える。

「なんで、俺たちに言ってくれねーんだよ!」