羽ばたけなくて

「嘘、だったのか?」

嘘―――

その言葉に、私の背筋が凍る。

そんなつもりではなかったはずなのに……。

でも、結果として雅也の言うとおり

私はみんなに嘘をついていたのかもしれない。

そう思うと、私は真っ直ぐ

雅也の顔を見ることができず視線をそらした。

「ごめんね、雅也……。

 弟のこと、ちゃんと言えなくって……」

「入学ん頃に美園が訊いた時、

 羽衣、“兄弟いない”って……」

雅也の言葉が、痛い。

あの時、私は自分を、

別の自分をヨウを無視して作り上げてしまったんだ。

今更ながら、それを激しく悔やむ。

悔やんだって、もう仕方のないことなんだけれど。