羽ばたけなくて

「どうでもいいでしょ、私のことなんか。」

この場からどうにか逃げようと、

私はそう吐き捨てると古澤君と仁美に背を向けた。

その時、

「お姉ちゃん! 僕、これがいいな!」

にっこりと満面の笑みを浮かべながら

ヨウが1本のDVDを手にして走ってきた。

「ヨウ!」

こうなる前に古澤君たちの前から去りたかったのに。

でも、ヨウには何の罪もない。

私は眩しすぎるほど輝く笑顔のヨウをその場で迎えた。

「ほら、一緒なんじゃない。しかも何それ。

 レインジャーって、ヒーロー戦隊ものじゃない。

 まだそんなの見てるの?」

仁美はヨウが手にしているDVDを見ると

ケラケラと高笑いし始めた。

その笑い声が私の胸の奥を苦しめる。