羽ばたけなくて

テーマパークに来たかのように全身ではしゃぎながら、

ヨウは私の手を引っ張る。

「ちょ、ちょっとヨウ。慌てないでってば。」

あまりのヨウの勢いに思わず目を丸くしながら言う。

そんなことお構いなしに、

ヨウはずんずんと目的の場所を目指す。

ヨウは夢中になってしまうと

周りが一切見えなくなってしまう。

この人込みは勿論、家族のことでさえも。

そして時間だってすっかり忘れてしまうのだ。

今だって、ヨウは周りなんて見えていない。

それもまたヨウの個性。

ヨウに引っ張られるままに歩くと、

ある一角に辿りついた。

「これこれ!」

目をキラキラと輝かせながらヨウは1本のDVDを手にした。