羽ばたけなくて

初めて姉弟だけで1日を過ごすのに、

ヨウの目から不安は一切感じられない。

私なんか、すでにいっぱいいっぱいで

どうしたらいいのか分からないでいるのに。

私の問いかけにヨウがさらににっこりと笑いながら、

こう提案した。

「僕、お姉ちゃんと一緒にどっか行きたいな。」

ヨウに言われて私はハッと思い出す。

この間、美園たちとの旅行よりも前の休日。

児童館に卓球をしに行こうと約束していたのに、

向かう途中で逃げるように戻ってしまったことがあった。

そういえばその時の埋め合わせ、ちゃんとしていない。

ヨウの言葉に私は頷くと、

「せっかくだし、2人でどっか行こうか。」

と微笑んだ。

その瞬間、ヨウはソファから飛び上がって歓声を上げた。

「やったー! じゃ、今から行こ!」