羽ばたけなくて

なのになんでだろう。

雅也は特に嫌がる様子もなく

私たちといつも一緒に過ごしている。

今日みたいに学校外で遊ぶにしたってちゃんといる。

それが私にとってすごく不思議だし、

逆にすごく嬉しくも思う。

だって、好きな人と一緒の時間を過ごせるんだから。

美園が振った話題もぷっつりと途切れ、

私たちはまた川原に寝そべりながらぼうっと空を見る。

今日の空は本当に綺麗だ。

空に漂う雲が本物の綿菓子なんじゃないかと

思うくらいに。

私は思わずふわふわの雲に手を伸ばそうとした。

すると横から思いがけない声が飛んできた。