羽ばたけなくて

私は小さく溜め息を付きながら、

壁際にもたれるようにぺたんと座った。

ふと雅也へと視線を向ける。

部屋の真ん中に置かれた3人掛けのソファに

ころんと寝転んでいる雅也は、

真っ白なシャツにジャージ生地のハーフパンツ姿、

洗いざらしの無造作な髪から

ほのかなシャンプーの香りが漂っている。

初めて見るその姿に私は自然と鼓動が早まる。

別にこれからどうなるワケでもないのに。

むしろ、

期待するようなことなんて絶対にありえないのに。

でも、その姿を見るだけで私の心は時めいた。