羽ばたけなくて

思いがけず雅也と2人きりになった。

それも雅也の方からそうしてくれた。

私のことを嫌がる様子もなく、

むしろ心配してくれているようで。

私はじわじわと嬉しさが滲み出てきて、

自然と顔が緩んだ。

それまで夕日を見つめ立っていた雅也が、

ふと気付くと私の隣へと腰かけている。

ぴったりと寄り添うわけではなく

私との間には少しだけ空間があるけれど、

それでも隣に座ってくれるそのことだけで

私の心は十分に満たされていた。