羽ばたけなくて

思ってもみなかった雅也の言葉に、

私は思わず顔を赤らめた。

「え……。で、でも私……」

上手く言葉が出てこない私を雅也は横目で見ながら、

「そんな状態で歩けるか。言うとおりにしてろ。」

と、まるで駄々をこねる子どもを

説得するかのようにきっぱりと言った。

雅也の視線に、言葉に、私の鼓動が暴れる。

その気迫に圧倒され、思わず小さくこくんと頷いた。

雅也は私に向けていた視線を美園たちに戻すと、

「お前らに任せるよ。」

と言い、軽く片手を振った。

それを受け美園と大志は「オッケー」と言い残すと、

バルコニーから去っていった。