羽ばたけなくて

私たち以外誰もいない海。

時間も忘れ、

すっかり童心に返って夢中になって遊んだ。

普段滅多に見れない雅也の笑顔も

どれくらい見ただろう。

とにかく私たちは大声で笑いながら海と戯れた。

あれだけ真っ青だった海の色が、

気付くとオレンジの光に照らされ始めていた。

「あれ、夕日だよね?」

美園がキラキラと輝く太陽を指差しながら訊く。

「だなー。そう言われるてみると、俺ハラ減ったし。」

大志がお腹を抱えながら海へと倒れこむ。

「じゃ、今日はこれで上がろっか。

 私もお腹空いちゃった。」

私もまた軽くお腹をさすりながら言うと、

雅也は同意するように首を縦に振った。

そうして私たちはようやく砂浜へ上がることにした。