羽ばたけなくて

「パパ、ありがとー!」

どんどんと小さくなる車に

大きく手を振りながら美園は大声で言った。

車が見えなくなるのを確認すると、

「さてと。」

と、美園は私たちへと向きを変え軽く腕組みをした。

「これから、何する?」

イタズラな笑顔を見せながら言う美園に、

大志もまたイタズラな表情を浮かべながらこたえた。

「そりゃ、もちろん。泳ごうぜ!」

勢いよく指差す大志の手の先には真っ青で穏やかな海。

海開きはまだ少しだけ早いけど、

これだけギラギラとした日差しに照り付けられてると

きっと海の中は相当気持ちいいだろう。

大志のこたえに私たちは大きく頷いて早速、

水着に着替え始めることにした。