羽ばたけなくて

内心ドキドキしながらも、

自然な流れの中で訊いてみようと会話を探った。

「そうそう。今度、私の学校連休でしょ。

 だからね、美薗たちと一緒に

 美園の別荘に遊びに行こうってなったんだけど……」

平静を装いながらも少し早口に私は言った。

私がこんな大胆なことを言うなんて初めてのことだ。

連休に友だちと外泊だなんて、

きっと許可してもらえないだろう。

そう思いながらも、

心のどこかで少し期待もしていた。

すると両親の返事は意外とあっさりと、

微笑みながら言われた。