やっぱり私はみんなと違うのだろうか?

人を好きになってはいけないのだろうか?

高校に入ってようやくゆっくりと薄れてきたそれらが、

また私の心の中でもくもくと膨れ上がってくる。

分厚い雲がまた私の心を覆う。

“私って、一体なんなの”

自分自身に向かって無言で強く叫ぶ。

玄関にしゃがみ込み

小さくなって耳を塞ぎ続ける私の姿を、

ヨウはただじっと静かにでも優しく

見守ってくれていた。

そして私の背中をそっとなで続けてくれた。

「……ヨウ……」

ヨウの優しさが嬉しい。

でもその分だけ、自分自身が嫌に感じる。

自身を完全に失っている私が、

ヨウに優しくされる資格なんかないのに。

「ヨウ……。こんなお姉ちゃんで、ごめんね。」

震える小さな声でそう言うと、

ヨウはふんわりと微笑んだ。

「お姉ちゃん、僕、大好きだから。

 大丈夫だよ。」

ヨウの言葉に私は暫く

うずくまることしか出来ないでいた。

“ヨウ、ありがとう”

心の中でそう呟きながら。